妊婦健診のとき「赤ちゃんには口唇口蓋裂の疑いがある」と告知されたり、出産後に口唇口蓋裂が判明し、言葉では言い尽くせないショックをお母さんは受けてしまうでしょう。
わが子のこれからの成長に強い不安を感じるかもしれませんが、心配なさらないでください。口蓋口唇裂には治療法がありますので、正しく治療をすれば他のお子さんと変わらない状態まで回復させることができます。
それでは口蓋口唇裂に不安なお母さんのために、口蓋口唇裂の原因と治療法、さらにエコー検査について説明します。
口唇口蓋裂の原因はわからない?
遺伝
両親や親戚に口唇口蓋裂の人がいる確率は数%でとても低い数字です。赤ちゃんの口唇口蓋裂は遺伝ではないかと気になるのは仕方ないですが、統計的には遺伝がはっきりとした原因ではありません。
妊娠中に飲んだ薬
一部の薬が口唇口蓋裂に関係している可能性はあるとされていますが、薬が特定されてはおらず、はっきりとした原因は明らかになっていません。
ストレス
妊娠中はなにかとストレスを感じることが多いと思います。ストレスが原因で妊娠中に体調不良になったとしても、過度な不安は必要ありません。ストレスがはっきりとした原因ではありません。
口唇口蓋裂の7割が原因不明
口蓋口唇裂の原因はまだはっきりと判明していません。ひとつのことが原因ではなく、偶然や様々なことが絡まり合わさって発症してしまうのが口唇口蓋裂です。口蓋口唇裂は決してお母さんひとりのせいではありません。
正しく治療をすれば成人になるまでに見た目にはわからないくらいに回復することは可能です。
口唇口蓋裂の治療法
口唇裂
縫合手術で数回行い少しずつ唇を繋げます。まずテープで口唇を固定し、第1次手術で生後3~4ヶ月頃に口唇を形成します。成長していき手術跡が目立つようになれば、外見を整える手術を5歳頃までに行うこともあります。
口蓋裂
1歳半~2歳頃に口蓋裂をつなぎ合わせる手術を言葉を覚え始める前の時期に行います。誤飲や発音の不具合を防ぎ、発音が上手にできない場合は、言語療法で正しい発音を学んでいくなど補助的療法を合わせて行います。
口唇口蓋裂はエコー検査でわかるの?
口唇口蓋裂は妊婦健診時のエコー検査で判明するケースが多くなります。エコー技術は精度が高くなりました。2D(腹部エコー)では判明できなかった口唇口蓋裂でも、胎児の顔の細部まで確認できる3Dエコーや、おなかの中で動いている赤ちゃんの様子をリアルタイムで観察できる4Dエコーでは赤ちゃんの状態がはっきりとわかります。
口唇口蓋裂が気になる方は4Dエコーでの診断することを、お医者さんにご相談ください。
口唇口蓋裂だと告知されたとき、たいへんなショックを受けるかもしれませんが、お母さんご自身を責めることはありません。正しい治療法を行えば、見た目は口唇口蓋裂だったとわからないまでに回復することができます。
赤ちゃんの成長をしっかりサポートしてあげてください。