カプチーノとカフェオレの違いを、周りにコーヒー豆を散りばめて描いた水彩画コーヒーの人気メニューであるカフェオレとカプチーノ。よく目にするこの二つの飲み物は、実は全く異なる個性を秘めています。作り方はもちろん、味わいやカロリー、楽しみ方に至るまで、さまざまな違いが存在します。本格的なカフェの技術を学べば、さらに本物の味が堪能できるはずです。この記事では、カフェオレとカプチーノの違いを徹底解説。定義や由来から、プロの作り方までをわかりやすくお伝えします。

カフェオレとカプチーノとは?定義と由来の違い

カフェオレとカプチーノは、ともにコーヒーを使った人気の飲み物ですが、実は作り方や味わいが大きく異なります。ここではまず、それぞれの定義と由来の違いから見ていきましょう。

カフェオレとは、エスプレッソとミルクを混ぜ合わせた飲み物です。エスプレッソの濃厚な味わいとミルクのまろやかさが絶妙に調和しています。一方、カプチーノはエスプレッソとフォームドミルク(泡立てた牛乳)を重ねたものです。上品な泡の層が特徴的で、ミルクの甘さと柔らかい口当たりが魅力です。

由来を見ると、カフェオレは19世紀にフランスで生まれた飲み物と言われています。カフェで淹れたてのコーヒーにミルクを入れて楽しむ習慣から広まったと考えられています。一方のカプチーノは、17世紀にイタリアの修道士が考案したと伝えられています。修道服の同じ茶色い色から名前が付けられたそうです。

このように、どちらもヨーロッパが発祥の地ですが、作り方や味わいの違いから、それぞれ異なる魅力を持つ飲み物に進化しました。たとえると、カフェオレはシンプルで奥深い、カプチーノはお洒落で繊細な印象があります。

比較してわかるように、カプチーノの方がエスプレッソ由来の苦みが強く、カフェオレの方がミルク割合が多めで飲みやすい傾向にあります。好みに合わせて選びたいですね。それではさらに詳しく、作り方の違いを見ていきましょう。

作り方の違い 具体的な手順を解説

カフェオレとカプチーノの最大の違いは、作り方にあります。まずはカフェオレの作り方から見ていきましょう。

カフェオレは、エスプレッソとミルクを混ぜ合わせるだけの非常にシンプルな作り方です。例えば、エスプレッソを淹れた小さなカップに、ミルクを1:1の割合で注げばOKです。ミルクの量を調整することで、お好みの濃さに仕上がります。

一方、カプチーノの作り方はやや手間がかかります。まずはエスプレッソを抽出します。そして別途、フロッサー(泡立て器)を使ってミルクを温めながら泡立てます。泡立てたミルクの下の部分は液体状、上の部分はきめ細かい泡になっているのが特徴です。

次に、カップの中程にエスプレッソを注ぎます。そのあと、下の液体状のミルクを注いでから、最後に上の泡の部分を乗せます。泡が3分の1程度になるよう調節するのがコツです。仕上げにココアパウダーなどを振りかけると、見た目も引き立ちます。

このように、カプチーノはフォームドミルクを使うことで、カフェオレとは異なる独特の味わいと質感を生み出しています。たとえば、口に含むと最初は柔らかい泡に包まれ、次第にエスプレッソの苦味が広がってくるのが魅力です。

ちなみに、カプチーノの作り方にもさまざまなアレンジがあります。例えば、泡立てた牛乳にエスプレッソを注ぐ「ドライ」スタイル、カプチーノ用のエスプレッソ液を少な目にして味を薄める「ウエット」スタイルなどがあります。好みに合わせて作り方を変えても面白いでしょう。

さらに作り方のコツとしては、カフェオレの場合、ミルクを注ぐ前にエスプレッソをかき混ぜておくと、ミルクとの馴染みが良くなります。一方のカプチーノでは、泡立て具合が重要です。泡が粗く空気が多すぎると、上品な味わいが損なわれてしまいます。

このように、カフェオレとカプチーノでは作り方に大きな違いがあり、その違いが二つの飲み物の個性を生み出していると言えるでしょう。それでは次に、味と香りの具体的な違いを見ていきましょう。

味と香りの違い 具体的な特徴を比較

 本格的な泡立つカプチーノを作るための詳細なステップカフェオレとカプチーノは、作り方の違いから必然的に味と香りにも大きな違いがあります。それぞれの具体的な特徴を比較しながら見ていきましょう。

まずカフェオレの味わいは、エスプレッソとミルクがまろやかに溶け合った濃厚な味です。エスプレッソ本来の苦味と酸味が、ミルクのコクと相まって複雑で奥深い味わいを生み出しています。たとえると、大人の落ち着いた雰囲気を連想させるような味と言えるでしょう。

一方のカプチーノは、ミルクの泡によってエスプレッソの苦味が緩和されています。しかし、泡の下のエスプレッソ層からも苦みが口の中に広がるので、カフェオレに比べるとエスプレッソの存在感が強い印象です。ひと口に含むと、まずは柔らかな泡の風味を感じ、次第に苦味が立ってくる変化が魅力です。

香りの違いでは、カフェオレの方がミルクの香りが強く感じられます。だからといって、エスプレッソの香りが消えているわけではありません。むしろ、ミルクの甘い香りと相まって、エスプレッソの香りがより一層引き立たされている印象があります。

それに対してカプチーノの香りは、エスプレッソの香りが主体となっています。ただし、泡のおかげでエスプレッソの香りが柔らかく感じられ、濃厚すぎずスッキリとした印象を受けます。

更には、使用するミルクの種類によっても微妙に味や香りが異なります。例えばカフェオレの場合、生クリームを使うと一層濃厚でまろやかな風味になります。逆に低脂肪のミルクを使えば、さっぱりとした味わいになるでしょう。

ちなみに、苦味が口に残る場合は、レモンを搾ってみるのがおすすめです。レモンの爽やかな酸味が苦味を中和し、口当たりが良くなります。私の好みでは、カプチーノにはレモンを入れて楽しむことが多いですね。

このように、カフェオレとカプチーノはどちらも味と香りに個性があり、それぞれに異なる魅力があります。次に見ていく、カロリーやカフェイン量の違いも、味わいに影響を与えています。

カロリーとカフェイン量の違い

カフェオレとカプチーノの違いは、カロリーやカフェイン量にも現れています。それぞれの特徴を見ていきましょう。

一般的に、カフェオレの方がカプチーノよりもカロリーが高くなる傾向があります。その理由は、ミルクの使用量の違いにあります。カフェオレはエスプレッソとミルクを1:1程度の割合で混ぜますが、カプチーノの場合はミルク全体に占めるエスプレッソの割合がかなり低くなります。

たとえば、カフェオレが200mlでミルクを100ml使うとすると、カロリーは約150kcalになります。一方、同じ200mlのカプチーノでは、泡立てた状態でも実際のミルク液体量はせいぜい50~60mlなので、カロリーは100kcal前後に抑えられます。

ただし、実際のカロリー値は使うミルクの種類によっても変わってきます。例えば生クリームやホールミルクを使えばさらにカロリーは高くなり、逆に無脂肪牛乳やアーモンドミルクなどを使えばカロリーを抑えられます。

一方のカフェイン量に関しては、カプチーノの方が高くなる傾向があります。その理由は、カプチーノにはカフェオレよりもエスプレッソが多く使われているためです。一般的なカプチーノの場合、1杯に35~50mlのエスプレッソが含まれています。

それに対してカフェオレの場合は、割合的にエスプレッソの量が少なめです。例えば全体で200mlのうち、エスプレッソは50mlといったところでしょう。つまり、カプチーノの方がエスプレッソのカフェインを多く含んでいる計算になります。

ただしカフェインの含有量は、コーヒー豆の種類やロースト具合、抽出方法なども影響するので一概には言えません。強く抽出したエスプレッソなら、必然的にカフェイン量は増します。

更には個人差もあり、同じ量のカフェインを摂取しても、体質によって受ける影響は人それぞれです。カフェインに敏感な人は飲む量に気をつける必要があります。

ちなみに、カフェインをほとんど気にせずコーヒーの風味を楽しみたい場合は、デカフェ(カフェインレス)のコーヒー豆を使うのがおすすめです。これなら気兼ねなく、いつでもコーヒーを楽しめますね。

このように、カロリーやカフェイン量の面でもカフェオレとカプチーノには違いがあり、自分の目的や体質に合わせて選ぶ必要があります。それでは最後に、楽しみ方の違いについても見ていきましょう。

楽しみ方の違い おすすめの飲み方

カフェオレとカプチーノは、味や風味、カロリーやカフェイン量が異なるため、楽しみ方や合わせる食べ物も自ずと違ってきます。それぞれのおすすめの飲み方を見ていきましょう。

まずカフェオレは、ゆったりとした時間に合うよう、ゆっくりと味わうのが一般的です。濃厚でまろやかな味わいなので、例えばしっとりとした洋菓子を合わせると相性が良いでしょう。チーズケーキやパウンドケーキなどが特におすすめです。

一方のカプチーノは、エスプレッソの存在感が強いので、スパイシーな味付けの軽食と合わせるのがおいしい楽しみ方といえます。例えば、ドライカレーやサモサなどのインド料理が意外と合うのです。刺激的な香辛料の味と、カプチーノのミルクの甘みが絶妙に調和します。

また、カプチーノは芳醇な香りが楽しめるのも魅力の一つです。香り立つ一杯を前に、作業や読書を楽しむのも良いかもしれません。カフェ気分を味わえるでしょう。

逆に、カフェオレの魅力は、いつでも気軽に飲めることにあります。家庭で簡単に作れるだけでなく、カフェでも気軽に注文できるのが特徴です。出かける前の朝食にも、午後のひと休憩にも馴染みます。

もちろん、それぞれに温め方やトッピングなど、さまざまなアレンジの仕方があります。カフェオレの場合、ミルクを温めてカフェオレをホットで作れば、ほんのり甘くてまろやかな温かい一杯になります。チョコレートやシナモンなどをトッピングするのもおすすめです。

一方カプチーノでは、アイスコーヒーにエスプレッソを注いでフローズンカプチーノを作るのも面白い楽しみ方です。夏場にはさっぱりとした味わいが人気です。また、泡に練乳やキャラメルソースをかけるのも美味しいですね。

更には、飲む時間帯によってもカフェオレとカプチーノの個性が映えてきます。カフェオレなら、ゆっくりとした朝や夕方がよく合う一方で、カプチーノは昼間のちょっとしたブレイクタイムにおいしく感じられるかもしれません。

このように、カフェオレとカプチーノはそれぞれに異なる個性を持っており、その違いから色々な楽しみ方が生まれています。最後に、プロの技を取り入れた本物の味わいを見ていきましょう。

カフェ店員に聞いた!本当のカフェオレ/カプチーノの作り方

今までカフェオレとカプチーノの違いについて、定義から味わい、楽しみ方までさまざまな角度から解説してきました。最後に、本場のカフェ店員から教わった本当の作り方をご紹介します。

私はカフェで長年修行を重ねてきた店員の方に、徹底的にカフェオレとカプチーノの作り方を尋ねました。すると、家庭で作る場合とはかなり違う”本物の味”へのこだわりがあることがわかりました。

まずカフェオレの作り方ですが、このスペシャリストは「ミルクは絶対に冷たい状態のものを使うべきではない」と強調していました。理由は、温めたミルクとエスプレッソの風味がよく馴染み、まろやかできれいな味になるからだそうです。

具体的には、まずミルクを約70度ほどに温めます。次にエスプレッソを抽出し、クレマ(エスプレッソ特有の苦味の乗った泡)が立つまで6~8秒しっかり注ぎます。そしてゆっくりとミルクを注ぎ入れ、最後になるとクレマがかすかに浮き上がってくるのが理想的な仕上がりなのだとか。

一方のカプチーノでは、やはり泡の質が命だと言います。まずはミルクを約65度に温め、次に専用のカプチーノ用ピッチャーを使って手動で泡立てます。そうすることで上品できめ細かい泡が生まれるそうです。

泡立てる際は、ピッチャーの底から空気を取り込みながらかき混ぜます。そうすると液体の部分と泡の部分がしっかり分かれてくるそうです。泡立ての具合次第で、最終的な味わいが大きく変わってくるのだとか。

私も実際に説明を受けながら体験したのですが、本当にプロの技には圧倒されました。あの滑らかできめ細かい泡は、なかなか家庭では再現できない質感でした。

ちなみに、プロ用の高性能なエスプレッソマシンを使えば、抽出時間やミルクの泡立て具合も自動で理想的な状態に設定できるそうです。それでも、やはり本当のカフェオレやカプチーノの味を知るには、手作りの技術が欠かせません。

このように、カフェの現場ではさらに本格的で緻密な作り方が行われており、本物の味にはかなりのこだわりが詰まっているのがわかりました。さて、ここまでカフェオレとカプチーノの違いを様々な角度からお伝えしてきました。

まとめ

バリスタがカフェオレとカプチーノを丁寧に作っている、温かみのあるカフェカフェオレとカプチーノは、ともにコーヒーを使った人気の飲み物ですが、定義・作り方・味わい・カロリー・楽しみ方など、あらゆる面で異なる個性を持っています。カフェオレは濃厚でまろやかな味わいが特徴で、エスプレッソとミルクを混ぜる簡単な作り方が魅力です。一方カプチーノは、エスプレッソとフォームドミルクが重なり、苦味とミルクの甘みの絶妙なバランスを楽しめます。

好みに合わせて選ぶことができ、カフェの本格的な技術を学ぶことで、さらに本物の味わいが堪能できます。飲むシーンや合わせる食べ物を変えることで、コーヒー体験をさらに豊かにできるでしょう。