会社を辞めるにあたって必要な手続きに退職届・退職願の提出がありますが、両者の違いがわかっていますか?もしかして両者とも同じ文面で提出すればいいと考えている方がいるかもしれませんが、両者の意味合いはまったく違うものなのです。
それでは退職届と退職願の違い、さらに「退職届・退職願の書き方と見本テンプレート」を紹介します。
退職届と退職願の違いとは?
退職届と退職願の違いには大きく2つあります。
まずひとつは承諾が不要か必要かです。
退職届は承諾が不要ですので、退職を通告して手続きを進めることができます。
一方、退職願は承諾が必要ですので、会社から退職の承諾を受けることになります。
つまり、退職届は退職を一方的に宣言するものですが、退職願は会社が承諾することで初めて退職が成立します。
ふたつめの違いは「撤回できる」か「撤回できない」かです。
退職届はひとたび提出したら、特別な事情がない限りは退職届を撤回することができません。
一方、退職願はいちど提出したとしても、会社の承諾する前であれば、退職願の撤回や退職日を変更することが可能です。ただし、会社の承諾後の撤回はできません。
退職届と退職願のどちらかを出せばいいのか?
退職届と退職願ともども承諾後の効力は同じです。したがって、既に退職願を出して承諾を受けた場合は退職届を追加で出す必要はありません。
退職を決意した場合の手続きの進め方を説明します。
就業規則で「退職する1ヶ月以上前に退職届を提出」等と記載があれば、引き継ぎ期間も考慮して1ヶ月半前までには上司に相談しましょう。意思表示は口頭でもいいですので、きちんと退職の意思を伝えましょう。
後日、退職願もしくは退職届を出すよう指示を受けたら承諾が必要となる退職願を提出します。
会社が退職願を受理しない場合は、民法の規定で「退職の意思表示をしてから2週間経過すると退職できる」となっていますので、退職が成立します。
退職届・退職願の書き方
文言は以下の見本通り書いてください。改行箇所には決まりはありませんが、用紙に応じて適宜体裁を整えましょう。
退職届
退職願
退職届と退職願の書き方で違う点とは?
退職届と退職願の文言はほぼ同じですが、表題と本文の結びの2ヶ所が異なります。退職届は承諾が不要な書類ですので、「お願い申し上げます」と書いたりしないよう気をつけましょう。
退職理由は「一身上の都合で」
退職届や退職願には明確な退職理由を書く必要はありませんし、人間関係や待遇など、今まで勤めてきたなかでの不満を伝えるものではありません。ですので本人の意思で退職する場合は、いかなるときでも「一身上の都合」と書きましょう。
退職届と退職願ともども、退職の手続きのための大切な書類です。まちがいや無礼がないよう細心の注意を払い、「立つ鳥跡を濁す」ことがなきよう手続きを進めていきましょう。